夏競馬にG1がないのはなぜ?G2の札幌記念が昇格する可能性も徹底調査
夏競馬でG1が開催されないのはどうして?
G2の札幌記念はG1に昇格しないのかな?
宝塚記念で上半期のG1を締めくくると、7月から9月初旬にかけて夏競馬が始まります。
夏競馬では春や秋、冬と異なり、G1が一切ありません。なぜ、夏競馬ではG1が開催されないのか気になる人もいることでしょう。
本記事では、夏競馬にG1がないのはなぜかを解説します。G2の札幌記念がG1に昇格する可能性も徹底調査しましたので、ぜひ最後までご覧ください!
夏競馬でG1が開催されない理由
夏競馬でG1が開催されないのは、秋のレースに向けて強い馬たちの休養期間に入るからです。
また馬は暑さを苦手としており、夏場ではベストコンディションを保つのが困難といわれています。そのため、夏のレースに出走することで、秋の大一番へと影響が出てしまう可能性もあります。
また、東京・中山・阪神・京都というG1が開催地となる中央4場の競馬場の芝に休息期間を与える必要があるので、その結果G1が開催されないという理由もあるでしょう。
このような理由から、夏競馬ではG1がない編成になっているのです。
夏競馬の開催日程を詳しく知りたい人は、以下の記事をご覧ください!
夏競馬で唯一のG2札幌記念はG1への昇格がある?
夏競馬で唯一のG2として、札幌競馬場で開催される札幌記念があります。札幌記念がG1へと昇格する可能性について探っていきましょう。
札幌記念とはどんなレース?
出典:JRA
札幌記念は8月後半に札幌競馬場で開催される芝2000mの重賞で、スーパーG2と呼ばれるなど、G1級の馬が出走することで知られています。
過去にはハープスターやブラストワンピース、ノームコア、ソダシ、ジャックドールといったようなG1覇者が勝利しました。
2023年もダービー馬のシャフリヤール、香港ヴァーズ覇者のウインマリリン、2022年の大阪杯を制したポタジェなどが出走を予定しています。
また、1着賞金は7000万円と、中央競馬で開催されるG2ではもっとも賞金が高額です。
札幌記念のG1昇格に対する競馬関係者の意見
札幌競馬場のG1昇格について、競馬関係者の意見を見ていきましょう。
武豊騎手
「昔からずっと札幌記念はG1にすればと思ってました。欧州では夏場をメインに多くのG1があるし、避暑地には必ず競馬のビッグイベントが控えていますから。今年もダービー馬が出走するなど豪華な顔ぶれ。いつか実現してほしいと思います」
引用:東スポ
池江泰寿調教師
「いいことだと思いますよ。とにかくG1が増えるのは大歓迎ですから。札幌記念がG1になり、その流れが小倉や新潟に来て、小倉記念や新潟記念がG1になれば、もっと夏競馬は盛り上がると思いますよ」
引用:東スポ
このように武豊騎手や池江泰寿調教師は、札幌競馬がG1へ昇格することに賛成しています。
一方で、馬主の西山茂行氏は札幌記念のG1昇格について問題点を指摘していました。
札幌記念か。
確かにメンバーはG Iの価値があるけど、箱がなぁ。
札幌競馬場の交通アクセス、キャパシティ、ついでに言うと馬主席の広さ、G Iとなるとどれだけ来賓が来るかも知らない人がたいして来賓席の用意もない札幌競馬場で簡単に「札幌記念をG Iに」と言わないで欲しいなあ。 pic.twitter.com/zQTTDly61X— 西山茂行 (@seiun0005) August 20, 2022
また、JRAの後藤正幸理事長は、ほかのレースとの兼ね合いでG1昇格が難しいコメントしています。
JRA後藤正幸理事長
「札幌記念は夏競馬の象徴として存在しますが、我々はそこをGⅠ格として目指す競走体系には作っていないわけです。だからGⅠ競走というのはそこを目指す競馬体系の目標となるべきであって、番組を編成して提供する立場としては単純にレーティングを満たしているからといってGⅠにするわけではない、という考え方だとご理解いただければと思います」
競馬ブック「年頭の所感」より
このようにいい馬が集まるからといって、単純にG1へと昇格させることは、開催地の問題やほかのレースとの兼ね合いで難しいという意見があるようです。
札幌記念のG1昇格は難しい
札幌記念は現在のところG1への昇格予定はありませんが、G1となる条件は満たしています。
3歳以上の牡馬・牝馬混合の場合、G1昇格には「直近3年の平均化つ直近年のレースレーティング115以上」を満たさなければなりません。
レースレーティングとは、G1の場合出走した全馬のレーティングを平均した数値のことです。G1以外のレースについては、4着までの馬のレーティングが対象となります。
札幌記念の過去3年のレースレーティングは以下のとおりです。
- 競馬場へアクセスがしづらい
- 収容人数が少ない(約6万人)
- コースが小回りで本来の力を発揮しづらい
- 芝2000mの古馬混合G1として大阪杯と天皇賞・秋がある
競馬場へのアクセスのしづらさと、収容人数の少なさは多くの観客が訪れるG1にとっては大きな問題といえるでしょう。
また、札幌記念をG1にすることによって、同距離のG1の印象が薄れたり、出走馬の質が落ちるのではと心配する声もあります。
以上から、札幌記念がG1へと昇格する可能性は、今のところ極めて低いことがわかります。
G1がなくても面白い!夏競馬の楽しみ方
夏競馬はG1が開催されず、興味がない人もいるかもしれません。しかし、G1がなくても夏競馬ならではの楽しみ方があります。
どのような魅力があるかを知り、夏競馬を楽しんでいきましょう!
夏の上がり馬を見つける
夏の上がり馬を見つけてみるのも夏競馬の楽しみ方のひとつです。夏の上がり馬とは春に注目されなかったものの、夏季開催で力をつけて秋のG1で活躍する馬のことをいいます。
2018年にデビューしたフィエールマンは、ダービーへの出走は叶いませんでしたが、夏競馬のラジオNIKKEI賞で2着と好走。そして、秋に開催されたG1の菊花賞で7番人気ながら勝利しました。
その翌年からは天皇賞・春を連覇し、2020年度のJRA賞最優秀4歳以上牡馬に選出されています。
このような夏の上がり馬を見つけて応援することで、秋に飛躍したときの嬉しさが増すことでしょう。
将来有望な2歳馬を探す
毎年6月から新馬戦がスタートするため、夏競馬の期間は有力な2歳馬を探してみましょう。
以下のように夏競馬期間にデビューし、ダービー馬となった馬もいます。
- ワグネリアン:2017年7月16日中京
- ロジャーバローズ:2018年8月18日新潟
- ドウデュース:2021年9月5日小倉
このような2歳馬の素質をチェックして、のちのダービー馬を見つけてみましょう。また、各競馬サイトなどでPOG(ペーパーオーナーゲーム)という、仮想馬主となって遊べるゲームもあります。
このPOGで自分が選んだ2歳馬が活躍することで、ポイントが獲得できます。そのポイントが貯まっていくと、賞品がもらえるサイトもあるので、ぜひ挑戦してみてください!
サマーシリーズに注目する
出典:JRA
夏競馬の期間にはサマーシリーズに注目してみましょう。
サマーシリーズとは、距離別にポイント制でチャンピオンを決めるシリーズのことで、以下のような4部門があります。
- サマースプリントシリーズ:芝の短距離重賞6つが対象
- サマー2000シリーズ:芝2000mの5つの重賞が対象
- サマーマイルシリーズ:芝1600mのリステッド競争1つと3つの重賞が対象
- サマージョッキーシリーズ:サマーシリーズ重賞の騎手の成績が対象
過去にはシリーズチャンピオンとなった馬が、その後のG1で活躍しています。
- タワーオブロンドン(2019年サマースプリントシリーズ):2019年スプリンターズS1着
- ファストフォース(2021年サマースプリントシリーズ):2023年高松宮記念1着
- ナムラクレア(2022年サマースプリントシリーズ):2023年高松宮記念2着
どの馬がチャンピオンを獲得するかに注目しながら、重賞レースを楽しんでみてください。サマーシリーズの日程や対照レースについて知りたい人は、以下の記事をチェックしてみましょう。
夏競馬はG1がないから荒れる!
夏競馬には、G1がないことで荒れるともいわれています。
G1が開催されないと力の飛び抜けた馬が集まらず、クラシックに参戦できなかった3歳馬や、G1に挑むには賞金や実力の足りない馬たちが集まります。
そのため、馬同士の実力が近くなり、穴馬が勝利してもおかしくありません。
そのほかにも、以下のような理由で荒れるといわれています。
2023年の重賞レースでも、CBC賞は1着から7番人気、8番人気、4番人気、七夕賞は2番人気、9番人気、13番人気と毎週のように荒れています。
荒れるからこそ高配当も飛び出しますので、ぜひ馬券を購入してみてください!
G1がなくて荒れる夏競馬の攻略法
荒れる夏競馬の攻略法を3つ紹介します。攻略法を駆使して、夏競馬で勝利しましょう。
馬のコンディションを重視する
夏競馬では、厳しい暑さとローカル競馬場への長距離輸送があるため馬のコンディションが重要となってきます。
「夏は格より調子」という格言があるように、実績よりも現在の状態が大切です。
調教で走っているか、パドックで発汗しすぎていないか、輸送によって極端に馬体重が減少していないかに注目しましょう。
また、夏競馬ではレース間隔が詰まっていると成績が下降しやすいため、どのようなローテーションで出走しているかも確認してみてください。
競馬場の特徴を把握する
夏競馬では、函館、札幌、福島、新潟、中京、小倉という6つの競馬場で開催されます。
その競馬場の特徴を把握することで、馬券的中の可能性があがるでしょう。
たとえば、函館競馬場であれば芝の直線が262.1m、ダートが260.3mとJRAの全場のなかで一番直線距離が短いのが特徴です。そのため、基本的には逃げ馬や先行馬が有利といえます。
このようなポイントを押さえることで、危険な人気馬を買わずに済み、穴馬を拾いやすくなるでしょう。
各コースの特徴は以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひご覧ください!
ボックス買いを活用する
夏競馬は穴馬が馬券に絡み荒れるレースが多いため、ボックス買いがおすすめです。
ボックス買いであれば選んだ馬のいずれかが馬券内に入れば的中するため、軸が飛んで当たらなかったという心配もありません。また、中穴や穴馬で決すれば高配当のチャンスも広がります。
ワイドや馬連の5頭ボックスであれば10点で収まるため、あまり夏競馬にお金を使えない人でも、手軽に買えることでしょう。
ワイドや馬連のボックスを詳しく知りたい人は、以下の記事で解説しているので参考にしてみてください。
まとめ
今回は、夏競馬にG1がない理由を詳しく解説してきました。
夏競馬にG1がないのは、強い馬が秋のG1に向けての休息期間に入るためです。また、夏競馬唯一のG2である札幌記念のG1へ昇格は、アクセスの悪さや収容人数の少なさ、ほかのレースとの兼ね合いで今のところ実現しそうにありません。
夏競馬にはG1がありませんが、この期間に力をつけて秋に輝く馬もいるため、そのような有力馬を探すことで面白さは増すはずです。
素質馬を探しながら、荒れる夏競馬で高配当馬券の的中を狙いましょう!