夏競馬7つの荒れる理由と攻略法を解説!必勝5つのポイント
夏競馬ってどうして荒れるの?
荒れる夏競馬の攻略法を知りたい!
6月までのG1シーズンが終わると、札幌・函館・福島・新潟・中京・小倉といったローカル競馬場で夏競馬が始まります。
夏競馬というと、競馬ファンの間では荒れることで有名です。しかし、なぜ夏競馬が荒れるのかという理由を知らない人も多いことでしょう。
本記事では、夏競馬が荒れる理由について詳しく解説します。荒れる夏競馬の攻略法も紹介していますので、馬券購入の際に活用してみてください!
大荒れ必至!夏競馬が荒れる7つの理由
ほかの季節よりもなぜ夏競馬は荒れるのでしょうか。夏競馬が荒れる7つの理由を解説します。
①強い馬が出走しない
夏競馬ではG1に出るような強い馬は出走せず、秋のレースに備えて休養期間に入ります。
代わりに秋に向けて賞金を稼いでおきたい馬や高齢馬などが出走するため、圧倒的な人気となるような実力のある馬が不在となり、出走馬の実力が拮抗するのが特徴です。
そのため、展開次第ではどの馬が勝ってもおかしくなく、軸を決めるのも難しいでしょう。
馬券を購入する際は少点数で厚めに狙うよりも、幅広く買うことをおすすめします。
たとえば、馬連やワイドなどで軸馬から流すのではなく、ボックス買いをしてみてはいかがでしょうか。
ボックス買いであれば本命馬が来なくても当たりますし、穴馬同士の決着で高配当が得られることもあります。具体的な買い方については、こちらの記事で解説しているので参考にしてみてください!
②暑さや輸送のストレスが大きい
夏競馬では、暑さや輸送による馬へのストレスが大きくなります。
人間が夏バテするように、馬も同じ哺乳類であるため夏が苦手です。暑いだけでも体調を保つのが難しいですが、夏競馬ではローカル競馬場を使用するため長距離輸送もあります。
北海道にある函館競馬場と札幌競馬場、福岡にある小倉競馬場への輸送は特に時間がかかるので、その分ストレスも多くなることでしょう。
パドックで激しく発汗している場合や、輸送によって馬体重を極端に減らしている場合は、その馬の馬券の購入を見送ったほうがいいかもしれません。
③小回りで平坦な競馬場が多い
夏競馬で使用される競馬場は、小回りで平坦なコースが多い傾向にあります。
各競馬場の芝コースの直線の長さと、高低差は以下のとおりです。
競馬場 | 直線距離 | 高低差 |
函館 | 262.1m | 3.5m |
札幌 | 266.1m | 0.7m |
小倉 | 293.0m | 3.0m |
福島 | 292.0m | 1.9m |
中京 | 412.5m | 3.5m |
新潟(内回り) | 358.7m | 0.8m |
新潟(外回り) | 658.7.0m | 2.2m |
中山 | 310.0m | 5.3m |
京都(内回り) | 328.4m | 3.1m |
京都(外回り) | 403.7m | 4.3m |
阪神(内回り) | 356.5m | 1.9m |
阪神(外回り) | 473.6m | 1.8m |
東京 | 525.9m | 2.7m |
このように直線の短い小回りコースが多いため、コーナを回ってくる器用さが求められます。
中京や新潟は直線が長いコースですが、3コーナーと4コーナーがスパイラルカーブとなっているので、そこをうまく回れるかが要求されるでしょう。
そのため、直線だけの勝負だけでなく、そこに至るまでの立ち回りが勝敗に大きく影響します。
また、夏競馬には平坦なコースが多いため、馬力があまりない馬でも馬券内に入ってくる可能性が高まるでしょう。
④梅雨の影響で馬場が荒れる
7月初めであれば、まだ梅雨の影響が残っており、雨が降りやすい傾向にあります。
気象庁のデータによると、中京競馬場がある東海地方では梅雨明けが平年7月29日、福島競馬場がある東北南部では平年7月24日です。
この2つの競馬場では2023年の場合、7月1日〜23日までレースが開催されるため、ちょうど梅雨真っ只中。
雨が降ると馬場が荒れ、重馬場や不良馬場を得意とする穴馬が飛び込んでくることが増えるでしょう。悪天候の際は、重馬場を得意とする馬を狙ってみてください。
⑤ハンデ戦が多い
夏競馬では、出走馬が均等に勝利できるようにする目的があるハンデ戦が多く開催されます。
夏競馬で開催される障害を除いた重賞20レースのうち7レースがハンデ戦です。
- CBC賞
- 七夕賞
- 函館記念
- 中京記念
- 小倉記念
- 北九州記念
- 新潟記念
2022年のCBC賞では今村聖奈騎手が斤量48.0kgのテイエムスパーダに騎乗し、レコードタイムで勝利しました。
テイエムスパーダの場合は人気があったため、高配当とはなりませんでしたが、このような低斤量の馬の激走には特に注意しましょう。
⑥2歳馬が走り始める
毎年6月に入ると2歳馬が走り始めます。
特に新馬戦であれば、今までのレース経験がないため前走の着順や上がりタイムなどがわからず、実力が測りかねません。
そのため、血統や調教、パドック、厩舎のコメントといった限られた情報から、その馬が好走するのかを読み解く必要があります。
結果、人気と実力が伴っていないことがあるので、強い馬を見極めるためにも、ある程度血統の知識を身につけましょう。
ちなみに、夏競馬の2歳戦は単勝を対象に通常の払戻金が5%アップしますので、単勝を積極的に狙ってみてもいいですね。
⑦条件戦に3歳馬が出走する
6月からは3歳馬が古馬(4歳以上の馬)と同じレースに初めて出走します。
3歳馬と古馬の走ったデータはないため、通用するのかしないのかの見極めが難しいでしょう。
条件戦では、3歳馬と古馬の間には以下のように斤量差が設けられています。
距離 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
1000〜1500m | 3kg | 2kg | 1kg | ||||
1600〜2100m | 3kg | 2kg | 1kg | ||||
2200m〜 | 4kg | 3kg | 2kg |
たとえば、6月のマイル戦に斤量57kgで4歳の牡馬が出走していた場合、3歳牡馬の斤量は54kgとなります。3歳牝馬であれば、そこからさらにマイナス2kgするため、斤量は52kgで出走可能です
このように古馬との間に斤量差があるため、過去の実績が振るわなくても、3歳馬が馬券内に入ってくる可能性があるといえるでしょう。
万馬券連発!夏競馬で一番荒れる競馬場はどこ?
出典:JRA
夏競馬は、札幌・函館・福島・新潟・中京・小倉という6つの競馬場で開催されます。
そのなかでも、特に荒れるのが福島競馬場です。福島競馬場は、芝コースの直線が292.0mで、3コーナーと4コーナーはスパイラルカーブを採用しています。
そのため、本来の実力だけで決まりづらく、器用な立ち回りが求められるでしょう。
また、すでに紹介したように福島でレースが開催されるのは梅雨シーズンであるため、馬場が痛みやすいことも予想の難しさを上げています。
過去のレース結果を見ても、荒れることが歴然です。
芝2,000mのG3七夕賞では、3連単配当で10万円以上ついた年が2013年〜2022年までの過去10年で6回もあります。
2015年には3連単で100万円、2018年には250万円超えの、驚くような配当も飛び出しました。
このように福島で開催されるレースは思ってもいないような馬が激走することが多いので、より相手を広げてみることをおすすめします。
特に荒れる福島競馬場の特徴を簡単に
出典:JRA
福島競馬場は右回りのコースで、芝のAコースの場合1周で1,600mあります。JRAの全ての競馬場のなかで1周の距離がもっとも短い競馬場です。
また高低差がほとんどない競馬場としても知られています。ゴール板を過ぎて2コーナーまでが高低差1.7mの下りであり、向正面では1.3mの上りとなっています。平坦になった後、4コーナーから直線までは緩い下りとなり、残り170m〜50mまでは高低差1.2mの上りです。
このように下りと上りを繰り返す凸凹なコースであるのが特徴といえるでしょう。
小回りコースである福島では、うまく立ち回った先行馬が基本的には有利となります、
ただし、梅雨の影響で馬場が荒れると外差しが決まることが増えるため、馬場状態によっては差し馬に警戒が必要です。
荒れる夏競馬を攻略する5つの方法
荒れる夏競馬を攻略する方法を5つ解説します。ポイントを押さえて、夏競馬でプラス収支を獲得しましょう!
①馬のコンディションを重視する
人間が夏バテするように、馬も同じ哺乳類であるため夏を苦手としています。そのため、調教やパドックで馬の状態を精査することが重要です。
しかし、調教タイムがほかの出走馬より速かったとしても、いつも調教がいいだけの馬もいるため、好走するとは限りません。そのため、その馬の過去の調教と比べる必要があります。
一例として、2022年のアイビスサマーダッシュで14番人気でありながら3着に好走したロードベイリーフの調教タイムを見てみましょう。
日付 | レース | 着順 | 調教コース・馬場 | 調教タイム 800m-600m-400m-200m |
7/31 | アイビスサマーダッシュ(G3) | 3 | 栗東坂路・良 | 53.5-38.7-24.9-12.3 |
7/3 | CBC賞(G3) | 6 | 栗東坂路・良 | 57.7-41.5-25.7-12.1 |
5/22 | 韋駄天S(OP) | 2 | 栗東坂路・良 | 不明 |
3/5 | オーシャンS(G3) | 13 | 栗東坂路・稍重 | 54.2-39.3-25.4-12.7 |
2/13 | 北九州短距離(OP) | 16 | 栗東坂路・良 | 52.1-38.3-25.5-13.1 |
ご覧のように、アイビスサマーダッシュ前の調教では、ラスト800mが53.5秒、200mが12.3秒と過去の調教と比べるとタイムが優秀であることがわかります。
馬なりか強めに追っているかにもよりますが、このように過去の調教タイムと比較して良いのか悪いのか、動きはスムーズかなどをチェックしましょう。
②牝馬を積極的に買う
「夏は牝馬」といった格言があるように、夏競馬では牝馬が走りやすくなります。
牝馬が牡馬を圧倒しているということではありませんが、他の季節よりも夏は牝馬の成績が向上します。
牝馬の成績が向上するのは以下のような理由です。
- 体格が小さいため夏場の軽い調教でも仕上がる
- ダート戦が少なくなる
- コースにきつい上り坂が少ない
このように夏場への強さや馬力のいらないレースが増えることによって、牝馬の勝率が向上します。
ただし、ダート戦は力が必要なため、狙うとすれば芝のレースだけにしてみてください。
③洋芝を得意としている馬に注目する
函館競馬場と札幌競馬場は、ほかの競馬場と異なり「洋芝」のみを使っているのが特徴です。
ほかの競馬場では野芝だけや、野芝の上に洋芝を植えた「オーバーシード」という芝を使用しています。
洋芝は野芝と違って寒冷地に強い芝です。洋芝は長さがあり、水も含みやすいため、パワーが要求されます。
そのような力のいる馬場を得意としている馬がおり、函館記念を3連覇するなど「洋芝の鬼」といわれたエリモハリアーが特に有名です。
63回の出走で9勝を挙げてあり、9勝のうち函館で4勝、札幌で2勝しました。
ほかにも以下のような馬が洋芝の函館や札幌を得意としています。
このように洋芝でよく馬券に絡んでくる馬を、函館や札幌のレースで狙ってみてください。
④夏競馬を得意としている騎手を狙う
夏に勝ちやすい馬がいるのと同様に、夏競馬を得意としている騎手もいるため、積極的に狙うといいでしょう。
たとえば、函館競馬場では2020年〜2022年まで横山武史ジョッキーが3年連続勝利数トップに立っています。
2022年は85回の騎乗で19勝をあげ、勝率は22.4%、複勝率は47.1%と圧倒的な成績を残しました。2023年もG3の函館スプリントステークスをキミワクイーンで勝利しています。
このように、夏競馬で使用される競馬場を得意としている騎手を狙っていくといいでしょう。
⑤極端に減量した騎手を探す
いつも以上に減量して、普段乗っているよりも、軽い斤量の馬に乗っている騎手は注目しましょう。
なぜなら、きつい減量をしてまで騎乗するということはそれだけ、その馬への期待度が高いからです。
2022年の函館スプリントステークスでは、浜中俊騎手が斤量50kgの3歳牝馬であるナムラクレアに乗るために過酷な減量をしています。
浜中騎手は普段の体重が51.5kgですが、食事制限やサウナに入るなど努力をし、レース当日は48.6kgと約3kgも体重落としてきました。
その結果ナムラクレアに騎乗し、古馬を寄せつけずに勝利を掴み取っています。
ただし、斤量が軽くても普段から乗っているようであれば、いつも通りに体重調整しているだけです。以下のように、あまり乗らない斤量に乗っているときは注目してみましょう。
- C.ルメール:54kg未満
- 武豊:53kg未満
- 横山典弘:52kg未満
まとめ
今回は、夏競馬が荒れる理由について詳しく解説してきました。
夏競馬が荒れるのは、強い馬がいないことやコンディションを保ちづらい、ハンデ戦などで斤量差が大きいといった要素が影響しています。
このように荒れる夏競馬で馬券を的中させるのは難しいですが、その分1度当てるだけで大きなプラスが狙えます。
攻略法を駆使して、的中と高配当に期待しながら夏競馬を楽しでいきましょう!