競馬コラム
競走馬は引退したら馬肉になるって本当？
競走馬の引退後について知りたい！
競走馬がレースで活躍できる時期はそれほど長くありません。
引退した競走馬は「どんな風に過ごしているのだろう？」「あんなに多くの競走馬をどこが引き取っているのだろう？」と疑問に思ったことがある人も多いでしょう。
本記事では競走馬の引退後の行き先、その中でも特に「馬肉」にされているという噂について詳しく解説していきます。
購入したことのある競走馬が引退後どうなっているのか気になる人はぜひご覧ください！
結論から申し上げますと、引退した競走馬の多くは、最終的に馬肉になります。
ただし引退してすぐに馬肉となる訳ではなく、一旦乗馬や牧場などを経て最終的に…といった形です。
中央競馬だけでも毎年約5,000頭以上もの競走馬が引退していると言われており、引退した馬は余生を牧場などでのんびり過ごしているかと、思っていた人も多いかも知れませんが、現実は非常に厳しいものでした。
華やかな舞台で駆けていた競走馬たちが、引退後は寿命を全うすることなく馬肉になっていることに、ショックを受ける人も少なくないでしょう。
競走馬としてレースに出走していた馬たちは、鍛え上げられているためとても筋肉質のため、肉質はほぼ赤身でしかも堅くなっています。
そのため居酒屋などで食する機会のある馬刺しなど、人が食べるようなお肉としては向いていません。
競走馬の馬肉
加工された状態の馬肉となります。
競走馬が人が食べるような馬肉になる可能性はかなり低いです。
競走馬は馬刺しになって人に提供されていると、思っている人も多くいます。
その理由は馬刺しになる馬の種類にありました。
馬刺しによく利用される馬の種類
競走馬の品種でもあるサラブレッドが、馬刺しになるメインの種類であるため、「競走馬は引退後馬刺しになっている」と勘違いしている人が多いです。
レースで活躍していた競走馬が馬刺しになる可能性もあるのですが、馬刺しとして提供されるお肉は「豊かな自然環境のある牧草地でストレスなく育てられた」サラブレッドがメインとなっています。
勝つことを宿命づけられ、厳しいトレーニングを積んだ競走馬は、馬刺しとして人気が高い訳ではありません。
優秀な成績を残した名馬の牡馬は種馬、牝馬は繁殖馬として引き取られることが多いです。
ただし繁殖の方へ進めるのは、競走馬の中の頂点に位置する競走馬のみですので、ほんの一握りにしかありません。
乗馬用に引き取られる馬や、馬主がそのまま面倒を見るケースもありますが、それでもほんの一部です。
競走馬のセカンドキャリア主な例
繰り返しになりますが上記のようなセカンドキャリアが送れるのはほんの一部です。
実際の行く末は一旦は他の施設を経由しますが、最終的に屠畜（とちく）されてペットフードとなる厳しい現実が待っています。
出走馬として生まれてくる馬は1年間で約7,500頭、その中からケガや買い手がなくレースに出られない馬、レースに出られても結果が残せず早期に引退する馬、大活躍して歴史に名を残す名馬になるなど、それぞれの生き方をしていきます。
そしてレースで走れなくなった、サラブレッドの面倒をみるのには、数千万もの費用が掛かると言われています。
競走馬の面倒が大変な理由
以上の2点が主な理由で多くの引退馬は、殺処分され馬肉となっているのが現状です。
この悲惨な現状を目の当たりにして、どうにかして殺処分から馬たちを守りたいと、懸命に頑張っている人たちもいます。
〇「馬は人と同等だ」という感性の元騎手が馬を引き取り最後を看取る
年間7千頭の馬が殺処分されるなか、働きを終えた馬が余生を過ごす養老牧場は全国的にも少ない。新潟県胎内市の「松原ステーブルス」は16年前から殺処分される競走馬などを引き取り、その最期をみとってきた。今年からNPO法人化し、馬との触れ合いを通じ子どもたちに現状を知ってもらう取り組みを始めた。
牧場は、元騎手・調教師の松原正文さん（60）が2005年に始めた。馬との触れあいを子どもの教育に生かそうと明星（あけぼし）泰崇さん（42）が運営を継ぎ、今年4月、NPO法人としての活動を始めた。
松原さんは馬の産地として知られる北海道日高町出身。父は道産子（どさんこ）の馬とともに切り出した木材を山から運び出す「馬車追い」だった。幼い頃から馬が身近だった松原さんにとって「馬は人と同等の存在」だ。
引用：朝日新聞
騎手として活動している時に、引退していった競走馬たちの多くが殺処分されていることを知った松原正文さんが、2005年から引退した競走馬を引き取って最後まで面倒を看ているという記事です。
当時の厩舎で引き取れる数は16頭、引退する競走馬のほんの一部に過ぎませんが、それでも殺処分から救おうとする姿勢はとても立派！
このような活動が広まっていく事を切に願います。
〇引退馬を殺処分から救おうとする夫婦
こちらの夫婦も殺処分される競走馬の現状にいてもたってもいられず、一念発起して牧場を経営し1頭でも多くの競走馬を救おうとしているドキュメントです。
コメント欄でもこの問題に向き合った意見が多く寄せられていて、いつかは解決させなければならない問題なのだなという事を改めて感じさせられました。
同様に物議となったことのあるばんえい競馬については、別記事で詳しく解説しています。
好成績を収めた名馬たちの多くは繫殖種馬、繁殖牝馬として需要が高いため、殺処分される可能性がほぼありません。
ただしサイレンススズカのように、レース中の怪我で予後不良と診断され、安楽死の処置を取ることはあります。
安楽死させたからと言って、多くのファンがいるサイレンススズカのような名馬は、馬肉とはならず競馬関係者の人達によって丁重に弔らわれました。
馬の寿命は25～30年です。
長くても8歳までで引退する競走馬が多くいるなか、本来なら残りの余生の方が多いはずですが、寿命を全うできるのは現役で活躍できたほんの一握りの馬だけです。
まずは簡潔にハマノパレード事件を説明すると、宝塚記念を制したこともあるハマノパレードという名馬が、レース中の事故で脱臼・骨折となって予後不良と診断され、安楽死となりました。
しかし安楽死とされていましたが名古屋市の食肉検査場に移動した後、殺処分され馬肉として市場に出回ったのではなないか？という記事が出て、世間の注目を集めて物議を呼んだのです。
ハマノパレードが馬肉となって市場に出回ったと言われる理由
本当にハマノパレードの馬肉だったのかどうかは定かではありませんが、私の推測では限りなく事実だったのではないかと思っています。
当時は予後不良となった馬が食肉解体されることは珍しくなかったのですが、G1を制覇した名馬の末路にしてはあまりにも酷いと、競馬ファンや動物愛護団体から非難が殺到しました。
以後は徐々に引退後すぐに殺処分という流れは減ってきましたが、一旦は飼育場に預けられてから結局最後は殺処分されるという結末は変わっていません。
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| 日程 | 2024-11-17 | |
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今回は競走馬が引退後に馬肉になるのか？という点に着目して解説してきました。
競走馬の引退後は飼育場や乗馬として一旦は引き取られますが、需要がそれほど多くなく引退馬は毎年5,000頭を超えてしまいますので、最終的には、ペットフードや飼料用として一部が馬肉として活用されるケースも見られます。
競走馬がこうした運命をたどる現実には複雑な気持ちになりますが…今の現状をなんとか変えようと頑張っている人たちもいます。
いつの日か競走馬、人、共に幸せになれる未来が訪れるかも知れません。
