藤田菜七子騎手が引退って聞いて驚いているのだけど…なぜ引退するの?
騎手のスマホルールはどうなっている?
2024年10月11日引退届が受理され、JRA女性騎手のパイオニアとして活躍していた、藤田菜七子騎手の引退が決まりました。
競馬ファンはもちろん、競馬にそれほど興味がなかった人にも驚きを与え、日本全土を駆け巡るビッグニュースとなったのです。
引退の直接的な原因は「調整ルームにスマホを持ち込んで使用したこと」、一体なぜこんなことになったのか気になっている人も多いと思います。
本記事では「調整ルームのスマホルール」や「藤田菜七子騎手のケース」について詳しく解説しています。
騎手は八百長防止のため調整ルームにスマホ持ち込み禁止
騎手はレース前日の21時に施設に入り以降は、八百長防止のため開催終了まで原則外部との連絡は出来ません。
これは競馬に限ったことではなく、公営ギャンブルの競技全般で同様の内容になっています。
競馬が特に厳しいという訳ではなく、開催期間が基本他の公営ギャンブルより短いので、それほど厳しいとは言えません。
公営ギャンブルおおよその開催期間(スマホが連続で使えない期間)
出場する選手や騎手は以上の期間、スマホなど外部と連絡が取れる機器は使えません。
スマホ持ち込み禁止の大きな理由は八百長です。
実際にボートレースの選手は2020年に八百長が発覚し、その際に宿舎にスマホを隠して持ち込み、親族と連絡を取っていたことも明らかになっています。
どの競技も過去に八百長が行われていた過去(競輪は比較的に少なく、罰則もかなり厳しい)があるため、購入者が敏感になってしまうのも仕方ありません。
JRAの規則
JRAは基本土日開催ですので、金曜日の21時から日曜日の17時くらいまで、騎手はスマホを使えないことになります。
このルールに関して「スマホが使えないなんて現代に合っていない」と騎手を擁護する声もありますが、「もっと厳しく取り締まって絶対に持ち込めないようにして欲しい」ともっと厳しくするべきという声の方が大きいです。
この通信機器持ち込み禁止ルールの発端が、1965年関東のトップジョッキーだった山岡つとむ元騎手が、暴力団から金品の提供を受けて八百長を行い、収賄罪によって逮捕されたことから始まりました。
八百長をされると競馬ファンは不利益を受けることは間違いないですので、もっと厳しくして欲しいと思う気持ちも仕方ありません。
スマホ持ち込み禁止ルールは海外にはない
そもそもこうしたシステムは欧米にはないという。調整ルーム自体がない。「紳士協定と人権意識」と強調するのは海外競馬解説者の合田直弘さんだ。
合田さんは英米の事例を元に「そもそも(八百長に関与する)裏社会とはつながりを持たないという認識が共有されているし、そのルールを守りましょうというのが1つ。通信機器を制限して、極端な事例だが生まれたばかりの子供の映像が見られない、家族の安否を知ることができないとなれば人権問題になるから」と話す。
引用:産経新聞
イギリスやアメリカでは各人の人権の方が尊重されているため、スマホを使って自由に連絡が出来る用です。
裏社会との繋がりがなくても家族や友人と共謀して八百長を行い、利益を出すことも可能ですので、それはそれで問題のような気もします。
「八百長をされたら不利益になるので徹底的に管理して欲しい」という馬券購入者側の意見も、「開催期間中に家族など外部の人とまったく連絡が取れないのはおかしい」という騎手側の意見もどちらも理解できますので、騎手が自由にスマホを使えてそれでいて不正が行われない新たな仕組みがぜひ欲しいですよね。
藤田菜七子騎手がスマホ持ち込みにより電撃引退
以前から度々あった騎手によるスマホ持ち込みニュースですが、特に最近注目を集めている理由は藤田菜七子騎手の引退に他なりません。
引退を惜しむ声がある一方で、未だに批判的な意見を寄せる競馬ファンもおり、今もなお絶賛炎上中です。
2024年10月11日に藤田菜七子騎手は引退したのですが、引退となった理由は直近でスマホ持ち込みをした訳ではなく、1年以上前のスマホ持ち込みによって引退することになりました。
この辺りを理解していない人も多いため、どのようなことで引退することになったのか、分かりやすく時系列で紹介していきます!
日時 | 内容 |
---|---|
2022年10月~2023年4月頃 | 藤田菜七子騎手が調整ルームに複数回スマホ持ち込んでいた |
2023年5月 | 複数人の若手騎手が調整ルームにスマホを持ち込んだことが発覚して処分を受ける
(女性騎手は藤田菜七子騎手以外全員だった) |
2023年5月 | 藤田菜七子騎手は過去にスマホを持ち込んでいたことを自ら申し出て厳重注意を受けた |
2024年10月9日 | 週刊文春が藤田菜七子騎手の通信機器持ち込み疑惑について報じる(2023年4月までの件) |
2024年10月9日 | 騎乗停止処分が発表される |
2024年10月11日 | 藤田菜七子騎手、引退届を提出し受理される |
藤田さん側の言い分では、過去のスマホ持ち込みの件は自らJRAに申し出て、その際に口頭で厳重注意を受けているので、2重処罰だというところです。
しかしJRA側は過去のスマホ持ち込みの件では、YouTubeやTwitterなどを閲覧使用の目的だったと聞いていましたが、文春によるとINEなど相手のやり取りなど、外部の人と連絡を取っていたことが発覚したため、今回の対応になったようです。
師匠との話し合いで号泣
藤田菜七子さんは騒動以来まだ1度も表へ出て今回の件について語っていません。
師匠である根本康広師曰く「菜七子はまだ人前に出て話せる精神状態ではありません」とのことでした。
引退届を書く時は師匠の目の前で、悔しさで大泣きしながら書いたと言っています。
引退のことは夫や両親と話し合って決めた事で、菜七子は逃げた訳じゃない」と、声を詰まらせながら取材に答えていました。
他の女性騎手と確執が噂される
藤田菜七子さんの引退に関する憶測の1つで「他の女性騎手との間に確執があったのでは?」という理由も、彼女が引退を決意した大きな決め手になったという人もいます。
確かに2023年5月に発覚した若手騎手6人が「30日の騎乗停止」処分を受けた時に、女性騎手で1人だけ処分を免れた藤田菜七子さんを快く思っていない騎手もいたでしょう。
しかも今回の騒動で藤田菜七子さんもスマホ持ち込みが発覚し、他の女性騎手が知らなかったとは考えづらいので、「藤田菜七子さんもスマホを持ち込んでいたのに…」と思っていたことは間違いありません。
2023年5月に発覚したスマホ持ち込み事件
昨年の5月も調整ルームに騎手がスマホを持ち込んだことで大きな話題となりました。
内容は福島競馬場の職員から「女性騎手がジョッキールームでスマホを使用している疑いがある」との内部告発を受けて、JRAが調査したところ事実であったことが発覚し、5月3日から30日間の騎乗停止処分となったのです。
対象となった騎手がデビューして3年以内の若手騎手で、尚且つ女性騎手5人を含む一斉に6人同時の処罰は異例だったため、大きな話題となりました。
対象となった騎手
- 今村聖奈
- 永島まなみ
- 古川奈穂
- 小林美駒
- 河原田菜々
- 角田大河
女性騎手のスマホの用途の内容はレース動画やオッズを観るためとなっていますが、男性騎手は通話をしていたことが発覚しています。
当時JRAの女性騎手は藤田菜七子さんと上記の5人しかいなかったため、女性騎手の中では藤田菜七子さんだけ処罰を免れた格好となり「さすが藤田菜七子!」「若手女性騎手と違ってしっかりしている」など、当時は評価を上げていましたが、実は藤田菜七子さんもスマホを持ち込んでいたのですね。
止まらないスマホ持ち込み
2024年 | 水沼元輝騎手2025年2月まで9ヶ月間の騎乗停止 |
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2024年 | 永野猛蔵騎手と小林勝太騎手は現在調査中、議定が出るまで騎乗停止 |
2023年 | 若手騎手6人騎乗停止30日 |
2022~2023年 | 藤田菜七子騎手 騎乗停止処分⇒引退 |
表に出ている大きなニュースだけでもこれだけあります。
果たしてこれで全部なのか?と言われればそうではない可能性の方が高いです。
もう少し管理を徹底すればこのようなことにはならないでしょうし、八百長の観点からみてもやろうと思えば事前に決めていれば、調整ルームに入る前から八百長を行う示し合わせは出来るはず。
今は取締も出来ておらず、本当にスマホ持ち込みがダメなのかどうかも分かっておらず、ただ見つかった騎手たちが処分されていく中途半端で誰も得しないルールに思えてなりません。
やはり騎手のスマホ持ち込みについては、新たなルールを検討したほうが良さそうです。
今後の藤田菜七子騎手はどうなる!?
今の藤田菜七子騎手の状況は「本人はどこにもコメントをしていない」「今回の件で競馬関係の仕事すべてが禁止になる可能性がある」という2点が大きなポイントです。
本人がなにも言ってないのですべては推測になりますが、競馬関係の仕事に就くことは間違いなくないでしょう。
- 2024年7月に結婚を発表したばかりなので、このまま家庭に入り(もしくは一般の職業に就き)表舞台には一切顔を出さない
- Instagramを始めたばかりなので今後インフルエンサーとして活動していく
- ホリプロに所属しているのでタレントとして活動していく
上記の3点が大きな候補です。
出来れば1度どこかで藤田菜七子さん本人の言葉で、今回の件のことや今後のことについて聞いてみたいですね!
まとめ
今回は調整ルームのスマホ持ち込みについて詳しく解説してきました。
最近、耳にすることが多かった問題ですが、藤田菜七子騎手の引退という衝撃の展開を受けて、今後より一層厳罰化が進むのかそれとも緩和されていくのか注目したいですね。
引退する理由はとても残念ですが16年ぶりに誕生した女性騎手として、間違いなく昨今の競馬界を盛り上げてきた藤田菜七子騎手。
大勢の前で馬に跨って颯爽と駆け抜ける姿が見れなくなるのは寂しいですが、今回の件をきっかけにこのようなことが2度と起きない体制を確立して貰いたいですね。